
僕は大学生の頃にとあるベンチャー企業でインターンをしていたのですが、そのときに僕を指導してくれた上司がとても優秀な方でした。
新規事業を始めれば絶対に成功させるし、個人で法人も経営していて年収は2,000万超。まだ学生だった僕にはその人が神様に見えました。
そんな上司が常日頃から口にしていたのが「お前はとにかく自分の頭で考えろ」という言葉。
正直、インターンを始めるまでまったく頭を使ってこなかった僕には全然響きませんでした。
でも社会人になり、大手人材企業や上場ベンチャーで働くうちに「仕事は考える力がすべて」だと実感するのでした。
少し前置きが長くなりましたが、この記事では僕がインターン時代に超・優秀な上司から教わった自分の頭で考えるための3つのコツを紹介します。
目次
「なぜ考える必要があるのか」を考えよう
そもそもなぜ人は「自分の頭で考える必要がある」のでしょうか?
色々な答えがあると思いますが、僕はこう考えます。
- 行き詰まったときでも答えを出せる
- 自分の考えを正確に他人に伝えることができる
- 独創的なアイデアが生まれる
- 道筋を立てて論理的な結論を出せる
- 騙されることなく合理的な選択ができる
つまり「自分の頭で考えること」の本質は、自分にとってベストな選択をするためだと言えそうです。
何でも人に聞くのではなく、自分で最高の選択をするために思考力を鍛える。
これらができるようになれば、仕事はもちろんプライベートも上手く運ぶことができます。
思考力は人生のコンパス
「考えることが苦手」という人は「論理的思考力が低い」と言われたことがありませんか?
そもそもなんで自分の頭で考えなければいけないのか?論理的思考力が必要なのか?
その答えはズバリ、最高の結果を手に入れるためにベストな選択をするためです。
論理的思考力が最大に問われるコンサルティングファームのお仕事で例えてみましょう。
経営コンサルタントはクライアントから依頼を受けたら、大量のデータを集め、仮説を立てて、利益をシミュレーションし、クライアントに事業戦略を提案するのが仕事です。
でもまだ事業を行っているわけではないので、この行為は1円も生み出しませんよね。なのになぜここまで入念な準備をおこなうのでしょうか?
それは事業を始める前には、論理を徹底的に組み立て、限りなく真実に近い答えを出すところまでしかできないからです。
僕たちは未来のことを予測できません。いくら準備しても机上の空論止まりです。
だから徹底的に机上の空論、つまり論理的な答えを突き詰めて少しでもいい成果に近づくことが大切なのです。
考えることを苦手から得意にする3つのコツ

断言しますが、考える力は誰でも後天的に身に付けることができます。
しかも簡単に、今から始められることばかりです。
- メモ書きをする
- 本を読む習慣を身に付ける
- 常に仮説を立てる
「自分は頭が悪いから…」「明日から始めよう…」なんて思ったらそれはもう思考停止。
本気で思考力を身に付けたいなら今すぐに始めましょう。
①メモ書きをする
メモ書きとは元マッキンゼーの赤羽雄二氏が考案した、メモに頭で考えていることを書き出して思考をクリアにする方法です。
多くの経営者が感銘を受けたといっている名著『ゼロ秒思考』の中で説明されています。
やり方はとてもシンプルで、A4の紙とペンがあればどこでも取り組めます。
具体的には、A4用紙を横置きにし、1件1ページで、1ページに4-6行、各行20字-30字、1ページを1分以内、毎日10ページ書く。したがって、毎日10分だけメモを書く。(下記参照)
これ、簡単なのに驚くほど効果があります。特に集中力がグッと上がる。
僕たちは知らず知らずのうちにやるべきことが溜まっていき、1つのタスクに対する思考力が浅くなっています。メモリが少なくなって動きが思いパソコンのようなイメージ。
だからそれを書き出して、優先順位を付ける。そうすれば目の前にある仕事に集中できるようになり、結果集中力が高まります。
これは立派な思考の整理。強制的に思考をする力が高まるので、ぜひ習慣にして欲しいです。
②本を読む習慣を身に付ける
本を読むメリットは色々とあります。
- シンプルに面白い
- 人に伝わる上手な言い回しを学べる
- 知識がアップデートされる
- 成功者が何十年かけて生んだエッセンスを1,000円ちょっとで手に入れられる
これだけでも読書を習慣にする価値がありますよね。
でも僕は、最も役に立つのは著者の「考え方」が身につくことだと思っています。
賢い人たちは何かが起こったときになぜそう感じたのか、それをどう分析したのか、そしてその経験をどう生かしてきたのか。
それを知るだけでも、自分のビジネスシーンやプライベートで生かせる思考力が身に付きます。
以前、当サイトで就活生に読んで欲しい本をまとめましたが、どれも思考力を鍛えるにはピッタリなのでぜひ読んでみてください。
→たった3冊でいい。元キャリアコンサルが推薦する、就活生が読むべき本
③常に仮説を立てる
仮説を立てることは論理的な思考に直結する大事なフレームワークです。
にも関わらず、仮説もなくとりあえずエイヤ!と実行する人は多いですよね。
僕もそうだったからわかるのですが、仮説を立てない人は仮説を立てることができないのではなくて、仮説を外してしまうのが怖いのだと思います。
しかし、よく考えてみてください。仮説が全然違うなんてことはありえるでしょうか?完璧に当たらずとも、多少なりとも合っているところはあるはずです。
宝の地図でなにもないところにバツをつけていけばいつか宝にたどり着けるように、仮説も修正しながらトライしていけばいつか正解にたどり着きます。
最初はうまくいかなくても慣れれば制度の高い仮説を立てていくことは可能なので、何事にも仮説を用いる習慣を身につけると思考力が高まります。
自分の頭で考える人がやっている2つのこと

自分の頭で考えることが習慣になっている人は「適切な疑問を持つ力」と「適切な解を導き出す力」を持っていると経営コンサルタントのShinさん(@Speedque01)はいいます。
では、常に思考し続ける一流のコンサルタントたちが当たり前にしている「適切な疑問を持つ力」と「適切な解を導き出す力」はどうやって身につければいいのでしょうか?
①適切な疑問を持つ力
自分の頭で考える人は、入ってきた情報に対して常に疑問を持ち、質問します。
情報を鵜呑みにしたり、分かったフリをしてやり過ごすのではなく、合理的に考えるために自問自答を繰り返すことでアクションの方向性を明確にするのです。
- これってなんでやっているんだっけ?
- 成功率をあげるために今なにをするべきだろう?
- 周りを動かすために自分は何から始めればいいのかな?
こういった何気ないことまで常に気を回し、あえて自分に疑問を投げ続けることで理解の浅いポイントを潰すことができるようになります。
②適切な解を導き出す力
適切な解を導き出す力の鍛え方としては、常に「クローズドクエスチョンに変換すること」をおすすめします。
いろいろな疑問は浮かんでくると思うのですが、それを「なんでだろう?」で終わらせることをせずに、「xxxだと考えられるが、それはあっているだろうか?」というYes / Noで答えられるクローズドクエスチョンにするのです。
考えることが苦手だったり、めんどくさいと思ってしまう人は「これってどうなの?」という質問をします。
これは前述した仮説を立てなかったり、自分の力で考えることを放棄した人の質問の仕方です。また、質問した相手に考えさせる、という負担を与えてしまうことにもなります。
ひとまず自分なりの答えを持った上で「〇〇だと思うんですけどどうですかね?」と聞いた方が思考力も高まる上に質問相手も答えやすくなります。
仮説を立てることはマナーだと心得て質問するようにしましょう。
まとめ
検索エンジンが発達し、コピーの情報が意味を持たなくなった今、自分の力で考えて答えを出す力が求められるようになりました。
自分の頭で考えることは難しく、ストレスがかかるためどうしても避けたくなりますが、現代を生きていく上で避けては通れません。
自分の前に立ちはだかる仕事や問題を一番よく知るのは自分自身。
考えることが苦手だという方も、自分にとってベストな決断をするために思考力を鍛えておきましょう。