名著「転職の思考法」から心に響く名言を6つ選んでみた

うえの
元キャリアアドバイザーの上野 翔平(@sho_hey0222)です。

新卒で入社した大手人材企業でキャリアアドバイザーとして年間300名以上のビジネスパーソンを転職に成功させてきました。

今回は、ぼくがアドバイザー時代に愛読していた超名著「転職の思考法」をご紹介したいと思います。すぐに転職をしたいという方はもちろん、そのうち転職するかも…という方にもおすすめしたい一冊です。

「このまま今の会社にいてもいいのだろうか?」

「転職したいけど自分がなにをしたいかわからない…」

そんな方の悩みにズバッと切り込んで、転職をする勇気をくれるのがこの本です。

転職の思考法から抜粋した心に響く名言5選

転職の思考法は北野唯我さんという方が執筆した、転職に対する意識や考え方を述べた本です。ストーリー形式で小説のように手軽に読めるので、読書が苦手な方にもおすすめ。

ちなみに著者の北野さんは、神戸大学→博報堂→ボストンコンサルティンググループ→ワンキャリア執行役員、とかなりお仕事のできる方です。

話のあらすじとをサラッとご紹介します。

主人公である青野は、新卒入社した会社で働き続け、気づけば30歳になっていた。特別な才能や専門性はないし、大きな組織を率いた経験もない。このまま会社にいつづけても将来はないと頭ではわかっている。だが、どうしても転職する勇気が出ない。

そんな青野は、ひょんなことから凄腕の経営コンサルタント・黒岩に出会う。黒岩によれば、転職に恐怖を感じるのは当然のことだという。転職は多くの人にとって「初めての意思決定」だからだ。意思決定すれば、必ず何かを捨てなければならない。

躊躇する青野に、黒岩は質問を突き付ける。「このままで本当にいいのか?」。さらに50万円で「転職の思考法」をレクチャーしてあげようと言ってきた。もう後がないと思った青野は、黒岩のコンサルティングを受けることになった――。

と、こんな流れです。

今回はこの「転職の思考法」から、転職を考える方に勇気や指針を与えてくれる名言を5つ抜粋したのでご紹介します。

①20代は専門性、 30代以降は経験をとれ

黒岩は青野に、「20代のうちはとにかく専門性で勝負しろ」教えます。そして30代になってから、経験を取れ、と語ります。

若いうちから経験が積みたい、と元気よく話す若手社員って多いですよね。正直、ぼくもそのタイプの人間でした…

ですが、現実は会社の重要なプロジェクトは基本的に専門性があるエース社員が任されるのが実情です。

自分がプロジェクトメンバーをアサインする上司だったら、「とりあえず一通りやったことあります」という人よりも、「この分野は誰にも負けません!」と言える人材に重要な仕事を任せるのは当然ですよね。

だから20代のうちは、自分が誰よりも特化した分野で専門的な知識を身に付けろ。それを生かして30代に経験を取りに行くのがベストだ。というのが黒岩の主張です。

つまり、20代で転職をするなら、「この分野で食っていくんだ」と腹を決める必要がある、ということを改めて認識できる一文です。

②その業界のエスカレーターの動きを見ろ

黒岩は青野に「高い給料を手にしたいなら場所選び(産業選び)を怠るな」と説きます。

伸びている業界で働くというのは、例えるなら上りのエスカレーターに乗って上を目指すようなもの。とくに自分が活躍しなくても、ニーズが高まるので売り上げが2倍、3倍と伸びていきます。

一方で縮小する業界を選んでしまうととても悲惨です。同じことをしているのに、売り上げがジリジリと下がっていく。それを防ぐためには下りのエレベーターを猛ダッシュで逆向きに駆け上がるしかない。

たしかに、今から国内の家電メーカーに就職しても高い給与をもらえるイメージはないですよね。

単なる好き嫌いや印象で業界選びを間違えてしまうと、いつまでたっても豊かになることはできないということがわかる話です。

③他の誰かが作った船に乗り込んでおきながら文句をいうな

黒岩は青野を連れて、自分が経営コンサルティングをしている老舗のホテルへ連れて行きました。そこではやる気のない従業員たちが暇そうにしていたり、スマホをいじったりしています。

黒岩は青野にこう言います。

「いいか。組織にいると給与は当たり前のようにもらえるものと勘違いする。そのくせ、会社が潰れそうになったり不満があると、すぐに社長や上の人間のせいにする。

だが、勘違いするな。そもそも君が乗っている船は社長が先代がゼロから作った船なんだ。他の誰かが作った船に乗り込んでおきながら文句を言うのは筋違いなんだよ」

ギクっ、とした方もいるのではないでしょうか?

ぼくたちは転職を考えるきっかけとして、会社や上司への不満を理由にしたりします。

でも、それは自分で決めて乗り込んだ船。今の考えでは、次の会社でも不満を覚えてまた転職、ということになりかねません。

他的要因に左右されて会社を選ぶのではなく、『自分がどんな人生を送るか』『どんな働きか方、稼ぎ方を目指すか』に目を向けるべきだと教えてくれる言葉です。

④「転職は悪」は努力を放棄した者の言い訳

青野は黒岩の転職レクチャーを受け、少しづつ転職の軸が決まってきました。

そして黒岩はこう言います。

「転職という選択肢を持った上で、対等な立場で会社と接するんだ。選択肢を失った瞬間、会社にしがみつくしかなくなり、窮屈になる。

古い人間は転職を悪だと言い張る。でもそれは、新たな選択肢を手に入れる努力を放棄した人間が発明した姑息な言い訳にすぎない。人間には居場所を選ぶ権利がある。転職は『善』なんだよ。個人にとっても、社会にとっても」

素晴らしいですね。個人的にこの本で一番好きなセリフです。

会社と対等な立場でいられるからこそ、僕たちは理不尽なことに「ノー」ということができます。不正が起きる会社は、従業員が強烈なトップダウンに縛り付けられてイエスマンになっている会社であることが多い。

いまだに日本にはびこる、転職は裏切りだという風潮。少しずつ改善されてはいますが、まだまだ根深い問題だと感じます。

それでも社員が残る会社が本当にいい会社ですし、経営者はそんな職場環境を作ることも仕事です。

すべての転職希望者に希望と勇気を与える名言です。

⑤ほとんどの人に「やりたいこと」なんて必要ない

転職活動がスタートし、面接も順調だった青野ですが、考えれば考えるほどに「自分がなにを好きか」わからなくなっていました。

そんな青野に向かって黒岩は言います。

「どうしてもやりたいことがあるなら、そもそも、今、こんなところにいないだろ。重要なのは、どうしても譲れないくらい『好きなこと』など、ほとんどの人間にない、ということに気づくことなんだよ」

黒岩は続けます。

人間には2パターンいる。そして君のような人間には、心から楽しめることなんて必要ないんだ。むしろ重要なのは、心から楽しめる『状態』なんだ」

黒岩の分析によると、仕事を楽しむ人間が使う言葉は2種類あるとのことです。

仕事を楽しむ人の種類
  • to do(コト)に重きを置く人間・・・なにをするのか、で物事を考える。明確な夢や目標がある。人口の1%程度。
  • being(状態)に重きを置く人間・・・どんな人でありたいか、状態でありたいかを重視する。人口の99%程度。

明確な目標や夢を持っているto do型は、トップアスリートや一流経営者など、非常に稀な存在。なんとなく、そんなto do型に憧れますよね。

しかし、99%はbeingな志向性です。まずはそれに気付く必要があります。

being型のぼくたちが、心からやりたいことを探し求めても辿り着くのは至難の業。あったとしても、それが無理やりひねり出した「好きなこと」では結局長続きしないですよね。

だからbeing型のぼくたちは、「ある程度やりたいこと」を見つけたら、ガムシャラに没頭してみましょう。

没頭することが、もっと好きになるための近道です。

⑥仕事の楽しさは「緊張と緩和」のバランスで決まる

転職のために自己分析をする青野に向かって黒岩は言います。

「思い返して見ろ。テストに向かって頑張り、テストが終われば解放される。部活でいえば試合に向かって頑張り、試合が終わればリラックスする。仕事でいえば、大事なプレゼンに向かって頑張り、終わればリラックする。つまり、人生は緊張と緩和の繰り返しでできてるんだよ」

「そのバランスが緩くなり過ぎたりキツくなりすぎているなら、ゲームを変えるタイミングだということだ」

「RPGと同じで、ゲームは必ずザコとボスの繰り返しで成り立っている。弱い敵だけでは人間は飽きを感じるし、強い敵ばかりでは疲弊してしまう。この『緊張と緩和のバランス』こそがすべてのおもしろさを決定づける。仕事も同じだ」

転職の悩みとして、タイミングがわからないという方も多いかと思います。

大事なプロジェクトが終わったら、部下が一人前になったら…そう言ってどんどんタイミングを失っていく求職者を、アドバイザー時代にたくさんみてきました。

どんなときは心の声にしたがってみましょう。今の仕事に緊張感はありますか?リラックスはできていますか?オンオフの切り替えができなくなったときが、転職を考えるタイミングだと教えてくれる名言です。

転職の思考法は会社選びの「判断軸」を教えてくれる

察しの良い読者の皆さまなら、とりあえず始めた転職活動が上手くいくはずない、なんてことはお分かりだと思います。

給与、スキルアップ、福利厚生、職場環境など…自分が働く上でなにを重視するのか理解していないのに、面接をしたってマッチするわけがありませんからね。

そう考えると転職活動は、いかに自分にとっての「判断軸」が大切か、ということがお分かりだと思います。

転職の思考法はそんな判断軸をストーリー形式でわかりやすく教えてくれる良書。転職をお考えの方はもちろん、そのうち転職も視野に…という方も必読の一冊です。

「転職の思考法」でわかること
  • 転職先となる会社の見極め方
  • いいベンチャーを見極める3つのポイント
  • 新卒で入るべき会社、中途で入るべき会社
  • 転職エージェントの仕組み
  • いいエージェントの条件
  • 仕事における楽しみ方
  • 不安との向き合い方