

- コミュニケーションデザインってなに?
- 世代や価値観が違う人とはどうやってコミュニケーションをとるの?
- 部下や上司とコミュニケーションがとれない…
こんな疑問や悩みを解決する記事となっています。
目次
- コミュニケーションデザインとは?
- 30〜40代までのインプットが自分の「常識」になる
- 大きく異なる世代ごとのコミュニケーションデザイン
- 10代のコミュニケーションデザイン
- 20代のコミュニケーションデザイン
- 30代のコミュニケーションデザイン
- 40代のコミュニケーションデザイン
- 50代のコミュニケーションデザイン
- コミュニケーションデザインが会社の存続を左右する
- スタッフとのコミュニケーションを軽視したコンビニエンスストアの末路
- 若者の「働く理由」が変わってきていることを理解する
- コミュニケーションデザインを真剣に考える時がきた
- 副業を許可する風潮が急拡大している
- リクルートはコミュニケーションデザインを意識した退職制度を作った
- コミュニケーションデザインの答え; お互いのWill、Must、Haveにあり
コミュニケーションデザインとは?
コミュニケーションデザインとは、「人とのコミュニケーション(関わり方)を最適化すること」です。1990年代以降、情報技術が活発化したことにより、世代ごとのコミュニケーション手法が大きく異なったことから生まれた言葉だと考えられています。
コミュニケーションデザインを理解するためにはまず、ここ数年でコミュニケーションをとる方法が大きく変わってきていることを理解する必要があります。
30〜40代までのインプットが自分の「常識」になる

はじめに理解しておきたいのが、人は50代をすぎると「新しい技術に嫌悪感を示す傾向がある」ということ。
この傾向がコミュニケーションデザインに大きな影響を及ぼします。
あくまで傾向なので人によって差はありますが、30代まではインプット、40代でインプットとアウトプットが50:50になり、50代からアウトプットのコミュニケーションが中心になります。
会社で「私が若い頃は…」「新聞はスマホではなく、紙で読むべき」「インバウンドセールス?営業は外まわりしてこそナンボだろうが!」と言って譲らないおじさま達をイメージすると分かりやすいでしょうか。
つまり、人は30〜40代までにどういったものが自分の常識だったか、が今後の人生にも影響するということです。
大きく異なる世代ごとのコミュニケーションデザイン
異なる世代間でスムーズにコミュニケーションを取りたいのであれば、相手がどんなコミュニケーション手法を当たり前にしてきたのかを理解する必要があります。
- 思春期のコミュニケーションの取り方
- 社会人1〜3年目までの『職場環境』
- 2018年から唱えられ始めた『働き方改革』
この3点がコミュニケーションデザインに大きな影響をもたらします。
10代のコミュニケーションデザイン
初めて買ってもらった携帯がスマートフォンの世代ですね。いわゆるSNS世代。
放課後もLINEやインスタグラムでずっと繋がり続けているため、他の世代に比べて「いい自分」を演出する傾向が強いと言われています。
また、ツイッターやフェイスブックなどを介して友人の数が猛烈な勢いで増える世代であり、浅く広くの付き合いが多い傾向があります。
また、アルバイト探しにも独特の傾向があるようです。
20代のコミュニケーションデザイン

ちなみに僕は平成生まれの25歳で、ミレニアム世代と呼ばれる世代です。いわゆるIT世代の初期型で、小学校の頃に家庭用PCを使ったメールが流行りはじめ、中学で携帯(ガラケー)を持つことが当たり前になり、高校でスマートフォンが普及しました。
比較的ネットリテラシーが高く、社会人1年目からワードやエクセル、パワーポイントは問題なく使える人間が多いです。
とは言ってもインターネットのコミュニケーションだけでなく、オフラインでもコミュニケーションも取れる中間の世代と言えます。
がっつり稼ぎたいという考えより、平均的でもいいから海のそばで暮らしたいな、誰かの役に立ちたいな、などの「自己実現」に重きをおく世代です。
ちなみに、僕の周りは飲み会が好きじゃない人が多いですね…早く帰って自分の時間を作ることを大切にする人が多い感じがします。
30代のコミュニケーションデザイン
ワープロなどの機器が当たり前に使えたため、ビジネスにパソコンが導入された時にもスムーズに活躍できた世代です。
働き方改革が叫ばれる前に社会人になっている世代のため、長時間労働の耐性があり、上司や同僚と朝まで飲む「飲みニケーション」にも強いです。
現在マネジメント層となっている人が多い世代なので、今の新卒や若手とのコミュケーションデザインにキャズム(溝)が生じやすいです。
40代のコミュニケーションデザイン

高度経済成長期後期に社会人として活躍した世代です。
トヨタやソニーなどの活躍で日本企業の国際的価値が高まっていたため、仕事量が増加。
効率よく仕事を回すのが優秀とされ始めた、現代風の働き方の原型が出来上がってきた時代です。
また、少しづつ女性の社会進出が始まってきた世代でもあり、この世代が働き方改革を理解できるかどうかが会社の風潮をデザインしている一面もあります。
50代のコミュニケーションデザイン
朝から晩までひたすら営業。午後10時半に女子社員が退社し、11時半に営業社員が社に戻ってくる。これで終わりかと思いきや、深夜1時から営業会議だ。家に帰るのは1週間に1回だけで、「まるで出征兵士の心境だ」
出典:キャリコネニュース
いわゆる「モーレツ世代」と呼ばれる社会人経験をした人達の世代です。上記はさすがにやり過ぎだと思いますが…
高度経済成長期に社会人として、働けば働くほど豊かになっていった世代。企業に尽くし、粉骨砕身することを生きがいにしていた方も多い世代です。
ワークライフバランスでいうと「ワーク9:ライフ1」くらいのバランスなので、今の若者とのギャップは割と大きそうです。
コミュニケーションデザインが会社の存続を左右する
これからの時代、コミュニケーションデザインが会社の存続を左右する、と言っても過言ではありません。
「いやいや、コミュニケーションごときで会社は潰れないだろ〜」という声が聞こえてきそうですが、これはマジです。
キャリアコンサルタントの営業で、1000以上の企業をみて僕が感じたことなので間違いありません。
スタッフとのコミュニケーションを軽視したコンビニエンスストアの末路

以前、コンビニを1店舗経営するオーナー様の採用のお手伝いをしたことがあります。
そのオーナー様はまぁまぁキツめな50代くらいの方で、スタッフの退職が相次いでいるためアルバイトの募集をしたいとのことでした。
スタッフの退職理由を伺うと、「サークルの旅行で2週間の休みが欲しいと言っていたので、やる気がないと判断してやめてもらった」「本気でバイトをしたい気持ちがある人じゃないと採用はしたくない」とのことでした…
いやいや、今どき本気でバイトに打ち込む人なんでいないでしょ…しかも時給1000円って。
オーナー様からすると「自分は若い頃、死ぬ気で牛乳配達の仕事をしていた。今の若者は気合いが足りない。」とのことでしたが、時代が違いますよね。
コミュニケーションデザインが取れていないと、こういったように従業員の勤労意欲を削いでしまうことになりかねません。
若者の「働く理由」が変わってきていることを理解する

今の20代は、比較的豊かな家庭環境で育った人が多く、「身を粉にして」まで働く必要性を感じていない若者が多いと言われています。
また、JALやシャープなどの大企業の破産や、これまでに無かった稼ぎ方(プロブロガーやユーチューバーなど)を見てきているため、現代には多様な働き方があり、会社に忠誠を誓う必要がないと考えるのです。
だから転職も当たり前。人材不足でどこも人手不足のため、いつでも転職できるという安心感もあります。
つまり今、50代の「会社に忠誠を尽くして生きてきた」という自負と、20代の「自分らしく入れる場所で働きたい」という労働に対する哲学が完全に相反するものとなっていることを理解しなければなりません。
コミュニケーションデザインを真剣に考える時がきた
コミュニケーションデザインが機能しない要因には、各世代の在籍バランスが崩れていることが考えられます。
例えば、団塊の世代(50代、60代くらい)が多い会社であれば、IT技術の導入が遅れ若手からの不満を招きます。
逆に20〜30代の人材が多い環境にいる50〜60代は、とても窮屈に感じることでしょう。
副業を許可する風潮が急拡大している
1つの企業に勤めるのではなく、複合的なスキルを育てていく『パラレルキャリア』という考え方が広まってきています。
確かに今の時代、会社に忠誠を尽くすよりも、いくつか収入を得るスキルを持っておく方が安心ですよね。
企業としてもその知識を本業に活かしてくれればいい、ということで、副業を許可する会社が増えてきています。
ちなみに副業であれば株式投資が一番オススメです。
リクルートはコミュニケーションデザインを意識した退職制度を作った
リクルートは、会社の平均年齢を若く保つために退職金が35歳前後で退職金がもっとも高額になるように設定されています。
これは会社の新陳代謝を促すと同時に、若くITリテラシーがあり時代の変化に敏感な世代を確保しておくための人事制度です。
常に若い人材が中心の企業にしておくことで、社内でのコミュニケーションデザインを最適化している事例です。
コミュニケーションデザインの答え; お互いのWill、Must、Haveにあり

社内のコミュニケーションデザインを最適化するには、お互いのWill、Must、Haveを明確に理解することが一番効果的です。
- Will(何を成し遂げたいか、どう成長していきたいか)
- Must(ビジネスパーソンとして、社内で何をすべきか)
- Have(今、どんな仕事ができるか)
社会人の思考はこの3つで構成されています。まずはこの3つを上司と部下、お互いが理解し合う時間を設けることが大切です。
コミュニケーションデザインの話になると、30代〜50代が20代の思考を理解する必要がある、といった論になりますが、それは20代も同じ。若手から上司や先輩を知りに行く必要も然りです。
今の40代の人たちが若い頃に「なんでおっさんたちはパソコンもできないんだよ」と思っていたように、時代は巡ります。
年齢に関係なく、全ての世代をリスペクトする心の余裕を持ちたいですね^ – ^